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映画/ドラマ紹介-----映画「聲の形」

2023年7月21日掲載


(ストーリー)
2016年に公開された劇場版アニメーション「聲の形」は、大今良時の同名の漫画を原作とした作品で、京都アニメーション制作で、監督は山田尚子さんが務めています。
物語は、聴覚障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女をいじめていた少年・石田将也の青春物語を描いています。 物語は、高校生になった将也が自殺を考えるところから始まります。将也は死ぬ前に過去の清算をしようと、硝子に謝罪するために彼女の通う手話サークルに行きます。
そこで偶然再会した二人は、次第に友情を深めていきます。しかし、将也はかつての仲間やクラスメイトとも再び関わるようになり、小学校時代のいじめ問題が再び表面化します。 将也は自分の罪悪感や周囲の人間関係に苦しみますが、硝子や他の友人たちとの交流を通して、自分を変えようと努力します。
一方、硝子も将也に惹かれていきますが、自分が将也の不幸の原因だと思い込んでしまいます。二人はそれぞれに葛藤しながらも、お互いの気持ちを伝えようとします。 このアニメは、聴覚障害やいじめといった社会的なテーマを扱っていますが、それだけではなく、人と人とのコミュニケーションや心理描写にも深く切り込んでいます。
登場人物たちの感情や成長が丁寧に描かれており、観る者の心に強く響きます。また、京都アニメーションらしい美しい映像や音楽も魅力的です。 実際に、多くの賞を受賞した傑作アニメーションとして高い評価を得ています。
「聲の形」は、社会的な問題を取り上げた深い内容と、美しい映像や音楽が見事に融合した傑作アニメーションです。

(みどころ)
アニメ「聲の形」の手話の見どころについてお話ししたいと思います。このアニメは、聴覚障害の少女といじめっ子だった少年の関係を描いた感動的な物語です。
しかし、このアニメの魅力はストーリーだけではありません。実は、このアニメでは、手話がとても重要な役割を果たしています。
手話とは、聴覚障害者やろう者がコミュニケーションをとるために使う言語で、手や顔や身体の動きで表現されます。 このアニメでは、主人公の少女や彼女の友人たちが手話で会話しています。そして、その手話は、とてもリアルで美しいものです。 このアニメの制作スタッフが、手話に対してとても真剣に取り組んだからこそ、手話の表現は非常に細かくて正確で感情豊かなものになっています。 実際に、ろう者の方々や手話通訳者の方々が協力して、手話の監修を行ったそうです。
彼らはアニメの台本や絵コンテを見て、手話の表現や動きをチェックしたり、アドバイスしたりしました。また、彼らは声優さんたちにも手話を教えたり、演技指導をしたりしました。 そのため、声優さんたちの演技には、ろう者の方々の気持ちや文化に触れた経験が反映され、手話がキャラクターたちの感情や思いや背景を伝える重要なツールとなっています。 例えば、主人公の少女が初めて学校に来た時に自己紹介をするシーンでは、彼女は自分の名前を「西宮硝子」と言いますが、その時に使った手話は、「硝子」という字に似た形をした指文字です。
これは、「硝子」という名前が自分にとって大切なものだということを表しています。また、主人公の少年が少女に謝ろうとするシーンでは、「ごめんなさい」という言葉だけではなく、「心から」という意味を加えた表現を使っています。 これは、「ごめんなさい」という言葉だけでは足りないということを表しています。 このように、「聲の形」は手話を通して物語を語り、聴覚障害者や手話を使う人々の文化や感情をリアルに表現しています。
また、このアニメを通して、聴覚障害者や手話を使う人々への理解や共感を広げることもできます。
手話は、言葉だけでは表現しきれない感情や思いを表現することができるため、コミュニケーションの手段としてだけでなく、芸術表現の手段としても活用されています。

(IAUD 松森の感想)
「聲の形」賛否両論色んな意味で話題となった作品ですね。
個人的にはアニメという手法で、繊細な感情表現を伝えた作品として、またさまざまな対話のきっかけになった作品として素晴らしいと思いました。
初めて見たときの感想は、2016年のブログに書かれています。 当時のこの作品の背景も含めて、読んでもらえるといいなと思います。
聲の形、日本語字幕上映で - 松森果林UD劇場~聞こえない世界に移住して (hatenablog.com)