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映画/ドラマ紹介-----ドラマ「サイレント」

2023年7月21日掲載


(ストーリー)
このドラマは、2022年10月から12月までテレビ朝日系列で放送されました。
高校時代に恋人だった紬と想が8年後に再会するというストーリーですが、想が若年発症型両側性感音難聴という病気で耳が聞こえなくなってしまったことが分かります。
紬は手話を学び、想とのコミュニケーションを取ります。この物語の魅力は、紬と想の感情の揺れや成長がリアルに描かれていることです。
紬が想に対して抱く未練や怒り、想が紬に抱く罪悪感や劣等感など、複雑な感情を持ちながらも、2人は音のある世界と音のない世界の違いや障害の壁を乗り越えようとします。

音楽もこのドラマの重要な要素です。紬と想は高校時代、音楽の趣味で仲良くなりましたが、想が耳が聞こえなくなったことで共通の趣味が失われてしまいます。
しかし、2人は手話を通じて感情を共有し、深い絆で結ばれます。
このドラマは感動的で心温まる作品であり、手話も重要な要素として描かれています。
紬が手話を学ぶ過程や手話を通じたコミュニケーションは、手話に興味を持つ人にとっても興味深い内容となっています。
『サイレント』は、紬と想の愛情や友情が絡み合う名作です。

(みどころ)
このドラマ「サイレント」は、聴覚障害者の主人公が、手話を通して人とコミュニケーションをとりながら、様々な困難に立ち向かっていく物語です。
特に手話のシーンが素晴らしいと思います。手話は、言葉だけではなく、表情や身振りも含めて伝えることができるからです。このドラマでは、手話の魅力を存分に味わえます。
第一話での主人公の自己紹介は、主人公が緊張しながらも、手話で自分の名前や出身地や趣味などを伝えるシーンです。 その時の主人公の表情や動きは、とても自然で可愛らしく、周りの人たちも驚きながらも、興味を持って見ています。 このシーンは、主人公の性格や背景を知るだけでなく、手話の魅力を感じることができます。
第三話での主人公と恋人の告白は、恋人が聴者であり、手話ができないため、スマホに「好き」と書いて見せるシーンです。 主人公は、手話で「ありがとう」と返し、その時の二人の表情や目線は、とても幸せそうです。 このシーンは、言葉の壁を越えた二人の愛情を感じることができます。
最後に、第六話での主人公と友人の喧嘩は、手話でも感情がぶつかり合うことがあることを示しています。
友人は手話で「信じて」と訴えますが、主人公は手話で「嫌い」と拒絶します。その時の二人の表情や動きは、とても激しく、友人は泣きながら去ってしまいます。 このシーンは、手話でも感情が伝わることを示し、手話が言葉だけではなく、表情や身振りも含めて素晴らしいコミュニケーション手段であることを実感できます。

(IAUD 松森の感想)
このドラマが放送された頃、同じく中途失聴者でもある松森がドラマへの想いや感想を紹介しています。
こちらをご覧ください。

ドラマ『silent』を、中途失聴者はどう見た? 「聴力を失ったとき、『社会は聞こえる人が中心』だと思った」
https://www.cinra.net/article/202212-silent_iktaycl