2015年9月1日
2016年7月15日改訂
一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD:総裁 瑶子女王殿下)は、2016年冬、愛知県名古屋市において「第6回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2016 in 名古屋」を開催いたします。
ユニヴァーサルデザイン(UD)とは、民族、文化、慣習、国籍、性別、年齢、能力の違いにかかわらず、できる限り多くの人々に利用可能なように最初から意図して、機器、建築、身の回りの生活環境などをデザインすることです。
2002年11月に横浜で開催した我が国初の国際UD会議は大成功を収め、その最後を飾る「国際ユニヴァーサルデザイン宣言」では、一人一人の人間性を尊重した社会環境づくりをUDと呼び、使い手と作り手の関係を再構築することで、社会のすべての面に適用されるべき人間中心のしくみ作りを急ぐことが重要と提言されました。そして、その提言はそのまま1年後に設立されたIAUDの設立趣旨となっています。
一昨年、東京都で開催した第5回目の国際UD会議では「ユニヴァーサルデザインのグローカル展開〜東京2020オリンピック・パラリンピックへ向けて〜」のテーマを掲げ、高齢者、障害者、子供や妊産婦、あるいは言葉や生活習慣の異なる外国人観光客などを含めた多様な人々にとって、安全で暮らしやすい都市基盤を整備していくことの重要性について話し合いました。開会式では安倍首相から、「競技施設はもとより、道路や駅など、すべての施設をユニヴァーサルデザイン化することにより、世界中のあらゆる方々に、オリンピック・パラリンピックを楽しんでいただき、日本は便利で暮らしやすい国だな、と思っていただけるような大会にしたい。」とのヴィデオ・メッセージを頂戴しました。また、7月にオリンピック担当相に就任した遠藤大臣は東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして「ユニヴァーサルデザイン社会」を残す、と明言しています。レガシーは東京だけでなく、地方都市を含む全国津々浦々に共有価値として享受されなくてはなりません。
現在、名古屋市を中心とする半径約100kmの地域は「グレーター・ナゴヤ(大名古屋経済圏)」と呼ばれ、世界から優れた企業・技術・人・情報を集め、行政と産業界、大学などが一体となり活発な国際交流を促進する活動が進められています。また、中部運輸局や中部広域観光推進協議会が中心となり、中部北陸9県の自治体、観光関係団体、観光事業者等と協働して中部北陸圏の知名度向上を図り、海外からの観光客誘致を推進するため、「昇龍道プロジェクト」と呼ばれる活動を推進しています。
第6回目となる今回の会議では、「ユニヴァーサルデザインによる共有価値の創造(案)」とのテーマを掲げ、製造業の集積地帯である中部圏域における新たな産業クラスターの創造や、地震などの大規模自然災害にも強い都市基盤整備に向け、国内外の参加者の活発な意見交換と相互交流を通して、自発的かつ持続的な行動を促しながら、地域再生や観光産業の育成も視野に入れた、より質の高いUD社会の実現をめざします。
ぜひ、これらの趣旨をご理解賜り、さまざまな立場の方々の幅広いご支援とご協力、そして積極的なご参加を切にお願いいたします。